薬湯(やくとう)
600年前から「奥羽の薬湯(やくとう)」と言われ
傷、火傷、一般手術後、婦人病、リウマチなどに効く名湯と
親しまれ湯治場として栄えて来た「鎌先温泉」
一條の薬湯の源泉は、鎌先の元々の源泉です。
傷などが治るので薬の様なお湯という意味です。
「塩化物ナトリウム硫酸塩泉」で空気に触れると茶色い湯花が
浮かぶという特徴があり身体がポカポカになります。
この茶色の湯花がお風呂に浮いていたり、タイルなどに付着し茶色に染まって
しまうのは温泉の性質なので仕方がない事ですが、お客様によっては清潔感
が無いと感じられる方が時々いらっしゃいます。
私どもの薬湯は、源泉かけ流しで湯治をしていた頃と変わらずお客様に泉質を
味わって頂く様に使用しているので古い造りで、それがいかにも効能を感じさせ
歴史を感じさせると私は思っておりましたが、お客様からもそうおっしゃって
頂くので「そうそう。そうでしょう。」と同感していました。
湯口に「茶色く浮かんでいるの物は湯花です」と明記してあります。
脱衣場と排水口周りの清掃は、
毎日、7:00・12:00・16:00・18:00・21:00
と5回しております。勿論、お客様が入浴中の時は排水口の清掃は避け
次の時間にしますが、薬湯は毎日または、一日置きにはお湯を抜いて清掃
しています。一條では昼にお湯を抜いて清掃している為、日帰り入浴はしていません。
一番綺麗なお湯を張った「一番風呂」で宿泊のお客様に気持ち良く過ごして
頂く。宿泊のお客様しか入浴されないのでお風呂もお湯も汚れずに常に清潔に
温泉を楽しんで頂ける様にと準備しています。
たとえ、薬湯をリニューアルしたとしても、茶色の湯花はタイルなどに付着し
床などを茶色に染めて行きます。温泉通の方々には大変喜ばれる泉質なので
清潔感が無いと感じる方は、内湯と露天風呂が付いたもう一つの温泉にお入り
頂ければ良いと思います。2種類の温泉がありますので。
この茶色の湯花が汚いと、以前から忘れた頃にたまに言われ指摘される度に
悲しくなります。昭和のはじめまでは湯花を売店で販売もしていた程です。
この写真の様に徐々に床も茶色になって行きます。
これをお客様に汚いと指摘されると、漂白するのには
スタッフ達の危険が伴うのです。しかも自然環境にも良くないので
何故、そこまでして、この茶色を落とさなければならないのか
と、とても悲しくなります。
館内案内時にスタッフ達に「茶色の湯花」を説明する様に指示を出しました。
こうして本物が、どんどん失われていくのでしょうね。