お客様
ホテルや旅館というのは、お客様がたとえ間違えても恥を
かかせないようにお客様を守り、時にはホテル側が悪い事にする。
という様な事が多々あります。
ホテルにいらっしゃるお客様は、紳士だからお世話をする側も紳士な対応
をする。というのはサービス業のプロとして当然の事です。
ホテル側が紳士であってもお客様が常識がないと困った事になります。
サービスマンは奴隷ではありません。プロとしてのプライドを皆持っています。
女将さん達に、「一條さんのところはいいお客様ばかりで変なお客様は
いらっしゃらないでしょうね」と言われ・・・
確かに有り難いことにいいお客様が殆どです。全く無いという事でもありません。
多くの旅館では困ったちゃんに悩まされています。
お客様は気に入らないと言いたい放題ですが、ホテルや旅館は耐えるしかありません。
旅館が迷惑をかけたら謝るのは当然です。しかし
時には悪くなくてもお詫びをいれなければなりません。
こんな大震災があったのに東北復興の為に来て下さっているんだ。
と感謝を込めて精一杯尽くして細かい要望にも必死に応えお世話し、
お客様の常識とマナー違反を目にしながらも恥をかかせない様
にと耐え、お客様の身勝手な思いでスタッフの気持ちを踏みにじられ
それでも恥をかかせない様にとお客様を守り申し訳ございません。と謝る。
一生懸命やったスタッフの気持ちを思うと可哀想で、厨房も清掃も
スタッフ全員で必死に準備をしてお迎えして一生懸命やった分だけ
悔しさが込み上げて・・・・スタッフと共に泣きました。
しかしそんなお客様のいいなりになっていたらホテルも旅館も倒産します。
こんな時代だから旅館の人達は少しでもお客様に来て貰いたいと必死です。
お客様は買い手市場だから自分の身勝手な気持ちでマナー違反と
分かっていても気に食わなければ言いたい放題。時には八つ当たり
こんな事もブログに書くとお客様が引くのではないかなどと考えます。
しかしそんな事があった直後にお泊り頂いたお客様に大変喜ばれ
スタッフの気持ちが伝わり「こんなにして頂いてありがとう。」と何度も言われ、
「私はコメントなど書く事が出来ないので自分の口で皆に宣伝します。」
とおっしゃって頂き、その一言に有難くて涙が出そうになったのを必死でこらえ笑顔し
他のお帰りになるお客様にも一人一人に感謝の言葉をかけて頂き、
「又絶対来ます。」と言われ・・・嬉しくてありがたくて泣いちゃいけない。
と必死でこらえても思わず涙を押さえきれず流れてしまいました。
本当に励まされました。世の中は不思議ですね。
お客様に傷つき、お客様に救われる。だからこそ余計に自分自身が
お客様になった時お世話をして下さった方に「ありがとう」と心からの
感謝を伝えるように常に心がけています。
私達サービス業従事者は、その一言の為に朝早くから夜遅くまで頑張るのです。