大震災から10日
東北関東大震災から10日経ちました。私達の被災生活は、
ラジオで情報を得、ろうそくの灯りと懐中電灯で過ごしていました。
2日目。「携帯が通じない」とパートさん達が顔を出したので
心配して一人一人聞くと水が無い人、食事をしていない人がいたので
お客様様の固形燃料で温かい食事をさせて水も持たせてガソリンが
無くなるので自宅待機を伝えました。その後
幸運にも灯油式のストーブを1台借りる事が出来た時はやったー
助かったと大所帯の従業員、皆で1つの部屋に集まり
温まる事が出来ました。
そしてガス屋さんが駆けつけてくれてプロパンガスを厨房の一部
に取り付けて頂いたので食事を作るのに助かりました。
ガソリン、灯油、ガス、電池、食料が手に入らないと聞いたので大切に使う事にし
日中は、皆で 陽の当たる場所を探して外で過ごし、太陽が移動すると、
私達も移動して、夕方は寒いのでストーブをつけて温かい汁物を用意しました。
このストーブの上に大きなヤカンを置き、お湯が沸いたらポットに移し
そのお湯で顔を洗い、歯磨きをしました。
お風呂に入れないので、33度位のぬるい源泉掛け流しに
「30分じーっと入るとぽかぽかしてくる」と無理して入っている人もいました。
スタッフは暗いため転倒してねんざした者や、次から次へと風邪を引き体調不良者
続出で、食事を届けに行ったり、風邪薬と栄養ドリンクを届けに行ったり・・・
頻繁な強い余震のストレスの為か胃腸炎になる人もおりました。
5日目。市内に住むスタッフが電気が点いた。と言って旅館のバスで皆でお風呂を
貰いに行きました。
6日目の夜にやっと電気が復旧したので暖房を入れ温かくなり少しづつ元気に
なって行きました。更に貸切風呂のシャワーにプロパンガスを取り付けて
貰いシャワーが使用出来るようになりました。
2,3日中に温泉を溜めて点検作業をします。
私達は、ここに居て本当に恵まれています。
避難所にいる人々は、もう限界を通り越している事でしょう。
やっと復旧し始め、電気が点いた途端、当然ですがキャンセル、キャンセルの嵐で
正直、気が滅入りそうになります。一番つらいのは、こちらからキャンセルのお願い
をしなければならない事です。今はとにかく身体を沢山動かして皆で大掃除の毎日。
お客様が沢山来てくれる日を考えながら、皆でピカピカに磨きあげるつもりです。
社長は、明日も大所帯の食料の調達に奮闘します。
しかしいつまでも、暗く落ち込んでいたら日本経済は良くなりません。
1日も早く、観光を楽しむ様な雰囲気にして頂かないと私達温泉旅館はやって行けません。
マスコミも、元気が出るような音楽や、雰囲気を作って欲しいと願います。