実習生
この7月の1か月間、松島高校観光課の生徒を実習生と
して受け入れています。
松島高校は以前からあったのですが、観光課はここ1・2年で
開設した新しい課で、宮城県知事肝いりの課なんです。
観光課が出来て、松島高校のレベルや雰囲気もここ5年位かけて
随分変化したそうです。それも又大変なご苦労もあったそうです。
スタートは清掃のパートさん達に清掃を教わりながら、お部屋を覚えて貰い
その後、先日、初めてベルガールを教えた所。
基本的な立ち方とお辞儀の仕方を教えた後「いらっしゃいませ〜」
と明るく爽やかに元気よく、そして言葉使いを教えた所です。
研修先に受け入れをお断りされる所も多いそうで、まあ、その気持ちも
理解出来ますが、私共には「是非受け入れて欲しい。」
とお願いされ、未来の宮城県の観光に大切な人材教育という
事もあり、専門に学んだ学生さん達が旅館などに勤務出来る様な
学校との良い連携体制も出来ると旅館も助かる。という事も感じます。
特に、今は業界問わず人材不足ですから。
ただ、たった1カ月で何をして貰うかというと教える労力が取られるだけになって
しまうのですが、折角なので何かこちら側にも役に立つ様な事が・・・・
と私なりに、色々と考えて面倒を見ているところ。
頻繁に先生も生徒の様子を訪ねて来られて、先日はわざわざ校長先生が
ご挨拶に来られました。生徒の様子も心配だし、迷惑をかけていないかと
いう事も心配だし、先生方も大変ですね。
しかし、ウチに来ている生徒さん達は、とてもいい娘達で、清掃スタッフから
〇〇ちゃん。〇〇ちゃん。下の名前で呼ばれ、部活の事やいろいろお話し
している様で可愛がられています。研修生はどうと清掃スタッフに聞くと
「若いからとっても仕事が早くこちらが焦ってしまう程。しかもベッドメーキングも
以前、ホテルの研修で教わったそうで、教えなくても出来るので助かる」
という 「それは、凄いね。」
先日は、お客様のお履き物をしまい、おしぼりの渡し方を教え
高さの違うテーブル席での振る舞い方を教え、お茶をお運びする。
その後、お客様のお持物をお部屋にお届けする。
という所までしました。お席へのご案内などはしておりませんが。
チェックイン時、社員達はとっても助かる。 と喜んでいました。
しかしウチに研修に来ている彼女達は、観光ガイド希望だったり
旅行代理店希望だったり・・・・でも、観光課はとても楽しいそうです。
日本の国の経済を支えているのは7割がサービス産業という事もあり、
経済産業省も観光にとても力を入れているのをつくづく感じます。
大学にも次から次へと観光学部が出来て、一昔前は観光は専門学校でしか
学ぶ事が出来なかったのが随分変わって来ました。
高校も専門的な課が増え、観光課もそうですが、調理課などもどんどん出来て
近い将来、専門学校が不要になるのではと思う程です。
腕に職を付けたい。という子供達も増えているようで、和食が世界文化遺産に
登録された事がきっかけとなり、料理人を目指す子供達も増えて来ていると
いうのは、我々旅館業にとっても有難い事です。
しかしながら、日本は観光という面に於いて、かなり遅れている事と
旅館も大型旅館の出現により、価格競争に追い込まれ、生産性を上げて
利益重視主義になり、従業員の教育の必要性も感じなくなり
それによって旅館としての価値の低下を招いています。
日本旅館の本質を失いつつある現状。業界としての問題を抱えていると
私は感じています。それはとても悲しい事ですが、
これからの観光は変わります。旅館も語学力が必須になって来てお酒の知識
和食の知識など。海外のお客様に英語で日本古来伝統の器や
ガラス食器の説明。それに和食の一品一品の食材や日本古来の料理方法など
食材の季節や食べ方など日本人が季節を日本庭園など景色で楽しみ
料理を目で楽しみ季節を味で楽しむという楽しみ方。
それは日本人が古事記の時代から自然を神とし自然を大切にしてきた日本文化である
という事等を世界の人達に伝える大切な役割を果たして行く事になるでしょう。
そうゆう意識の元で、一條では「和食検定」という物に挑戦し勉強をしています。
更に、接客スタッフ達は英語の勉強も意識しています。
学生の子供達はそこまで知らないので、是非そうゆう役割を担う仕事なんだという事を
伝えて欲しいと思います。
7月中。館内で研修生を見かけるかもしれません。素直で真面目です。
宜しくお願いします。